採用代行(RPO)の費用相場はいくらか
採用代行(RPO)の費用相場を3つの価格帯で整理し、人材紹介・正社員人事と並べて比較します。面談数から採用予算を逆算する方法と、契約が1ヶ月から始められることまで書いています。
「採用代行を頼むといくらか」を調べると、月10万円から月100万円まで出てきます。幅が広すぎて相場がつかめない、というのが実際のところだと思います。
幅があるのには理由があります。RPOの料金は作業量ではなく「どこまでを誰が手を動かすか」で決まるためです。この記事では価格帯を3つに分けて、それぞれ何が含まれるのかを示します。あわせて、シード期の会社が採用予算をどう組み立てるか、契約は何ヶ月から始められるかも書きます。
先に結論:RPOの3つの価格帯
月10万〜15万円
- 主な対象:シード〜シリーズA前・専任人事なし
- 含まれるもの:候補者の選定、スカウト、媒体の運用、定例
- 社内で必要な時間:隔週30分〜月次の定例+面接
- 向くのは:経営者が採用を兼務している会社
月20万〜30万円
- 主な対象:シリーズA以降・人事1名体制
- 含まれるもの:上記+採用広報、要件定義への関与
- 社内で必要な時間:月次定例+面接
- 向くのは:人事はいるが手が足りない会社
月45万円〜
- 主な対象:複数ポジション・採用チームの一部を代替
- 含まれるもの:上記+面接同席、人事制度、採用チームの運用代行
- 社内で必要な時間:週次定例+面接
- 向くのは:採用を組織として動かす会社
当社は最も低い価格帯にいます。ただし「安いから狭い」ではなく、AIで回せる範囲を広げることで、この価格帯のまま採用広報まで含めるという作り方をしています。理由は次の章で書きます。
1. なぜ同じ「採用代行」で価格が5倍違うのか
RPOの見積書を並べると、多くの場合いちばん大きな差は人がどれだけ張り付くかです。
採用の実務は、細かい作業の連続です。候補者を探す、要件と照らす、スカウト文を書く、送る、返信を追う、日程を調整する。1件あたりは短くても、毎週止まらず続ける必要があります。ここに人を張り付ければ、その人件費がそのまま料金になります。月45万円という価格は、おおむね「1人分の稼働の一部を買っている」という意味です。
当社が月10万円から提供できているのは、こうした繰り返し作業の進め方を社内のオペレーション基盤として仕組みにし、AIも活用しながら効率化しているためです。**どんな方に会いたいかという判断の基準は、最初に御社と時間をかけてすり合わせます。**基準が揃うほど、担当者が手を離せる範囲が広がります。最初の数週間は手がかかりますが、ここを飛ばすと精度が出ません。
経営者に残るのは、面接そのものと、判断基準のすり合わせです。「工数ゼロ」とは言いません。それでは採用が進まないからです。
2. 他の選択肢と並べるといくらになるか
RPOだけを見ても高いのか安いのか判断できないので、同じ「1人採るまで」で並べます。
人材紹介
- 費用の形:成功報酬(理論年収の30〜35%が一般的)
- 1人採るまでの概算:年収450万円なら135万〜160万円
- 残るもの:採用した人
1人目の人事を採る
- 費用の形:月給+社会保険料等
- 1人採るまでの概算:月給40万円なら会社負担は月約46万円、年間約550万円
- 残るもの:その方の経験と、社内に残るやり方
RPO(月10万円〜)
- 費用の形:月額固定
- 1人採るまでの概算:3〜4ヶ月で決まれば30万〜60万円
- 残るもの:仕組みと運用、採用広報の記事
人材紹介は決まらなければ払わずに済む代わりに、決まるたびに同じ金額がかかります。採用が1人で終わるなら合理的ですが、続くなら固定費のほうが安くなる地点があります。年収450万円の採用が年2人なら、紹介は270万〜320万円、RPOは月15万円×12ヶ月で180万円です。
正社員の人事は、月給がそのままコストではありません。社会保険料の会社負担などを含めると、会社が実際に払うのは月給の約1.15倍です。さらに、その人事自身を採用するのに3〜6ヶ月かかります。3. シード期の採用予算は、面談数から逆算して作る
「いくら用意すべきか」は、金額から考えると決まりません。必要な面談数から逆算すると精度が出ます。
当社の支援先を通しての目安は、1人の採用が決まるまでに必要な面談は平均15〜18名です。ここから逆算します。
- いつまでに何人採るかを決める(例:3ヶ月後に1名)
- 必要な面談数を出す(1名なら15〜18面談)
- 月ごとの面談目標に割る(3ヶ月なら月5〜6面談。ただし意思決定に1ヶ月見るので、実際は1〜2ヶ月目に面談を寄せます)
- 面談を作るのに必要な母集団を出す(返信率と面談設定率から逆算します。媒体によって大きく違うので、実際の数字は媒体を決めてから当てます)
- そこに必要な媒体費と運用費を積む
この順で出すと、「採用予算」は単独の数字ではなく、期日と人数から自動的に決まる数字になります。逆に、期日と人数を決めないまま「とりあえず月30万」と置くと、動いても止まっても同じ額が出ていきます。
なお媒体の利用料は上記のRPO費用とは別です。媒体は使うものが決まってから見積もるほうが正確なので、最初の相談では「どの媒体にどれだけかける必要があるか」から一緒に決めます。
最初から月30万〜40万円を出すのが危ういのはなぜか
シード期でよく起きる失敗が、専任の人事を月給30万〜40万円で採ったものの、採用が動かない月も同じ費用が出ていく状態です。**採用は事業の都合で波があります。**波の谷でも固定費は消えません。
まず変動させられる形(月単位で見直せる外部委託)で始めて、採用が継続的に発生することがはっきりしてから内製に切り替える。この順序のほうが、シード期には合っています。
4. 契約は何ヶ月から始められるか
**1ヶ月から始められます。**見直し・変更・終了はすべて月単位で、長期の縛りはありません。
ただし、期間の目安として持っておいていただきたいのは「動き出すまで」ではなく**「結論が出始めるまで」**です。契約の翌週にはピックアップとスカウトが動き出しますが、送った相手から返信が来て、面談が組まれ、採否が決まるまでには時間がかかります。採ると決めた方が採れたかどうかの結論が見えてくるのは、3〜4ヶ月目というのが実際のところです。
当社の支援先の平均も3〜4ヶ月で、その時点で採用が充足すればそこで終了します。採用広報を続けたいという理由で6ヶ月まで伸びる場合もありますが、こちらから継続を前提にすることはありません。
- 1ヶ月で試して、合わなければ止められます
- 3〜4ヶ月目に、成果とやり取りの手応えの両方が見えているかを判断の目安にしてください
- 充足したらそこで終わりです。続ける理由がないのに続ける契約にはしていません5. 当社の料金と対応範囲
ENTRY|月額10万円(税別)・1名体制
定例MTG(隔週)と、貴社に合ったHR施策の立案・実施、採用広報記事は2ヶ月に1本。担当者とAIで効率よく回す最小構成です。社内に手を動かせる人材がいる場合に向きます。
STANDARD|月額15万円(税別)・2名体制
定例MTG(週次)に加えて、ENTRYの範囲+オペレーション対応(候補者の選定、スカウト、媒体の確認と返信対応)を含みます。採用ページなどの作成(Notion等)もここに入り、採用広報記事は月1本です。
PRO|応相談(税別)
シリーズA以降の企業に向けた、よりカスタマイズした構成です。STANDARDに加えて採用広報記事は月2本〜、エージェントリレーション等も対応し、動画制作にも対応します。範囲が会社ごとに大きく変わるため、金額は固定していません。
採用広報(発信)を標準に含めている点が、実務のみを請け負うサービスとの違いです。知名度のない会社が候補者に返信をもらうには、語る材料が要ります。スカウトの跳ね返りがゼロの状態で送り続けても、効率は上がりません。副次的な効果として、記事は支援が続くほど資産として積み上がり、支援が終わったあとも会社側で使えます。
AI・DX領域の株式会社ロビンソン・コンサルティングは、当社を選んだ理由の一つに「スタートアップ特化の実績と、月額10万円からの料金体系」を挙げられています(導入事例)。
6. 費用対効果をどう見るか
RPOの費用対効果は「安く採れたか」だけでは測れません。判断材料は3つあります。
**1つ目は、経営者の時間が戻ったかどうか。**専任の人事がいない会社では、採用実務の大半を経営者が担っています。ただし他の業務のほうが優先順位が高くなるため、採用に実際に使えている時間は週30分程度というのが、支援先でいちばんよく見る状態です。この30分が面接だけに使える状態になっているか。
**2つ目は、母集団が続いているかどうか。**採用は止めると母集団が枯れます。1ヶ月動いて2ヶ月止まる、を繰り返すと、費用は出ているのに成果が積み上がりません。
**3つ目は、終わったあとに何が残るか。**記事、判定基準、媒体の運用ルール。これらが残っていれば、次の採用は自社で始められます。残らない形の支援は、同じ費用を毎回払い続けることになります。
向いている場合と、向いていない場合
**向いています:**専任の人事がおらず、経営者が採用を兼務している。採用が単発ではなく続く見込みがある。判定基準のすり合わせに、最初の数週間だけ時間を割ける。
**向いていません:**社内が一切関われない場合。面接と判定基準の合意は、こちらでは代われません。また、今すぐ1名だけ採れば当面終わり、という場合は人材紹介のほうが合理的なことがあります。
相談する
採用にいくらかけるべきかは、期日と人数が決まると自動的に出てきます。そこがまだ決まっていない段階でしたら、そこから一緒に整理します。代表の井端が、御社の状況を伺ったうえでご一緒に考えます。
無料の採用壁打ちのお申し込み、サービス資料のダウンロードは、それぞれのページからお進みください。